医療関係の方へ
てんかん
2013/10/24
研究活動
【光遺伝学(optogenetics)を用いた新しいてんかん・けいれんモデル】
Optogeneticsは、光感受性タンパク質を遺伝的に細胞に導入することで、光を介して神経活動を操作する技術です。光感受性タンパク質の機能と導入先の細胞によって、細胞選択的に高い時間分解能で神経機能を操作する革新的技術として、近年神経科学の分野で最も注目を浴びています。
当科は、生体システム生理学分野(虫明元教授,http://www.neurophysiology.med.tohoku.ac.jp/)および新医学領域創成分野(松井広准教授,http://www.ims.med.tohoku.ac.jp/matsui/)と共同で、optogeneticsを応用したてんかん研究に取り組んでいます。青色光で開口する陽イオンチャネルであるChannelrhodopsin-2を神経細胞特異的に導入した遺伝子改変動物(Thy1.2‐ChR2‐Venus TG rat)を用い、その海馬に間欠的な光刺激を与えることでてんかん発作を誘発することに成功しました。短時間のあいだにてんかん発作を繰り返し再現し、かつアーチファクトの混入無く神経生理学的記録が可能なin vivoモデルとして報告しました。


現在、このモデルを用いて新たな慢性てんかんモデルの開発、およびてんかん発作生成の解明に向けた研究を進めています。
Osawa S, Iwasaki M, Hosaka R, et al. (2013) Optogenetically induced seizure and the longitudinal hippocampal network dynamics. PLoS One 8:e60928.
てんかんモデル_Biotech2012.pdf(1.38 MB)
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