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株式会社メドレー 代表取締役医師 豊田剛一郎先生講演会「コロナ禍におけるオンライン診療の現状~ポストコロナに向けて考えるべきこと~」を開催しました

2020/06/26

講演会・学会

 623日(火)18:00-19:00、今年度第3回目の未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門、スマートホスピタル推進室)FM DTS融合セミナー株式会社メドレー豊田剛一郎先生の講演会をオンラインにて開催致しました。

 豊田先生は、東京大学医学部卒業後、国内での脳神経外科勤務を経てミシガン小児病院に留学。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て
2015年株式会社メドレーに参画。代表取締役医師としてオンライン診療やクラウド電子カルテ等、医療インターネットの推進を目指してこられました。
 今回の講演では、豊田先生が代表を務めるメドレーの、エンジニアと医師・医療従事者を含む開発チームを有し、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションのもと、アフターコロナの世界観、アフターコロナに向けての先生のアクション、メドレーの取り組み、そして
COVID-19からの学びについてわかりやすくお話しいただきました。
 メドレーでは
2016年にオンライン診療システム「CLINICS」の提供を開始し、2018年に診療報酬改定で「オンライン診療料」が新設されましたが、普及には4年という時間がかかっておりました。新型コロナウイルス感染症のためにオンライン診療を進めたのではないが、オンライン診療が広く認知される契機にはなった、ということをお話しされていました。「CLINICS」は全国の診療所を中心に導入されていますが、システムのセキュリティや安定性を評価され、全国各地の中核病院でも導入が進んでいるそうです。対象の診療領域は、てんかんをはじめ心臓血管外科・メンタルヘルス・不妊症・脊椎脊髄末梢神経外科・健康診断結果・小児歯科相談などです。オンライン診療などを活用し医師の働き方改革を進めるためには、出来高払いという日本の医療制度の変革も必要ともお話しされていました。
 質疑応答の中で、「オンライン診療を誰に使ってもらいたいか?」という質問には「
1番この人に!という考えは持っていない。現実的にオンラインに不慣れな方に無理に使わせることはよくない。みんなに、ということではなく“ニーズが分かっているところ”から“使いやすい人”に使ってほしい。そこから、“使いたい”が広がって届けたい人に届いていくようになっていけばいいですね」とお話しされていました。他に、学生からは、オンライン診療のリテラシーをどのように高めるのか・日米の制度の違いについて等質問がありました。
 豊田先生は医療を豪華客船に例え、「一気に船の向きは変えられないので、まずは小舟を出して新しいことを試している。小さなできることから積み上げていくことが重要」という熱いメッセージとともに、「医療のためにするべきこと、しないこと、見失わずにしっかりとデザインする」という言葉をいただき、ご講演の後にオンラインにも関わらず活発な質疑応答・意見交換が行われました。

 本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、学内外から企業の方を含む幅広い研究領域の
400名を超える方々にご参加頂きました。
 豊田先生、ご講演ありがとうございました。

 

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